大卒3割、短大・高卒4割、中卒6割
就職活動を一年以上続け、ようやく就職できたと思ったら、どうも会社に合わないので、止めたいと思うことはよくある。
そして実際に会社を辞めてしまうケースは非常に多く、入社後3年以内に退社する新卒者は3割を超えている。
これを見て「近頃の若者は」とか「ゆとり世代だな」などと言う者もいるが、実を言うと、これはもうずっとずっと前からで、ある意味、普遍的な現象だ。
厚生労働省では、新規学卒者の離職状況というのを毎年発表しているが、ここ30年の推移を見ても大卒の離職率は3割前後で推移している。
新卒社の離職率の推移(短大卒・4年生大学卒 1987年-2013年卒)
黒い部分が1年目の離職率、白い部分が2年目、青い部分が3年目。
いずれも雇用保険の加入状況より算出されたデータ。
※厚生労働省「新規学卒者の離職状況」より
リーマン・ショックのあった2008年(平成20年)頃は、企業業績が悪化していた時期だが、その頃の新卒でも3割辞めているね。
入社後3年以内に辞める割合は、大卒3割、短大・高卒4割、中卒6割というところか。
新卒社の離職率の推移(中学卒・高校卒 1987年-2013年卒)

事業別の離職率 サービス業は5割近くが3年で辞める
新卒者の離職率は、企業の事業規模にも大きな違いがある。
事業規模が大きいほど、新卒者の離職率は低く、事業規模が小さいほど、離職率は高くなっている。
従業員が1,000人以上いる大企業では、離職率は20%-26%。
従業員が99人以下の企業では、離職率は40%以上になっている。
産業分類別(業種別)の統計では、金属・非鉄・石油・石炭・鉄鋼などのメーカーは15%前後と、かなり低い離職率になっている。
食品製造業や繊維工業、木材・家具製造業などは、30%の離職率。
サービス業は、比較的離職率が高い。
まず宿泊・飲食サービス業は離職率が50%!もある。
生活関連サービス業・娯楽、教育・学習支援業も、離職率は45%以上。
医療・福祉関連業でも離職率は40%台。
他の業種でも、会社の他の社員との付き合い方が難しくて離職する人は多い。
しかしお客さんとの距離が近くて接触が多いサービス業は、さらにその分、辞めたくなるようなことが多いと言う事らしい。
逆に言うと、鉄鋼や金属加工などの製造業は、社内の人間とだけ上手くやっていけば良いようなところがあるので、人見知りでも、口べたでも、職場で受け入れられやすいということかな。