大不況の原因

このたびの大不況の引き金となったサブプライムローンについて、知識をまとめておく。

 

まず、サブプライムローンとは、1990年代にアメリカで爆発的に増えた、ハイリスクなローンである。

 

低所得者で信用のないモノにも金を貸し、自動車や家を買うことができる仕組みだと思ったらいい。

 

サブプライムローンでは、返済能力が低い低所得者層でも家を持てるように、最初の数年間の返済はかなり低めに設定され、数年後から返済額がグッと増える形のローンになっていた。

 

日本でも、最初の数年間だけ返済額を抑えたローンというのがよくあった。

 

数年後には収入が上がっているハズだという、年功序列を前提としたローンだった。

 

それと同様に、当時右肩上がりで高くなり続けたアメリカの住宅価格を前提としたローンだったのだ。

 

だから後々返済できなくなっても、担保になっている不動産を売れば、十分におつりが来るという算段で、このローンが販売され続けたわけだ。

 

ところが、住宅価格の上昇にはやはり天井があって、上昇は2006年に止まってしまったもんだから、そのころからこのローンが焦げ付きだした。

 

 


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ハイリスクなローンが、なぜかデリバティブ取引に…

サブプライムローンが焦げ付いただけならば、アメリカは同様の経験をすでに持っている。

 

80年代にS&L(貯蓄金融機関)事件というのがあって、少し似たような焦げ付き問題があったからだ。

 

だからここで問題が終わっておれば、サブプライムローンだけ精算すればよい話だったのだが、実は契約されたローンは、すぐに転売され、数え切れないくらいほどのデリバティブ取引に組み込まれていたのだ!デリバティブ取引とは、投資したお金がいろんな要因で目減りしないように、様々な金融商品を組み合わせた形の投資で、元々はリスクヘッジのためのものだった。

 

だからサブプライムローンなどという、リスクの高いローンを組み込む自体おかしな話なのだ。

 

ところがサブプライムローンは利回りの高い(利息が高い)ローンだったので、ハイリターンを目当てに様々なデリバティブに組み込まれてしまった。

 

その結果、リスクヘッジ(何か起こっても埋め合わせられる)されていたはずのデリバディブ取引が、全然役に立たず、サブプライムローンの大量焦げ付きの影響をモロに受けてしまった。

 

サブプライムローンを組み込んでいたデリバティブ商品は元本割れになり、それを購入していた家庭は大損をし、またリスクヘッジのために利用していた大企業も軒並み損失を計上した。

 

その結果として、アメリカの消費者の財布の紐は、ガッチリ締められ、企業も損失を埋め合わせるためにリストラを行った。

 

おかげで自動車も電化製品も25%前後も売り上げが落ちる状態になり、利益どころか大きな損失を出す羽目に陥った。

 

サブプライムローンの精算も未だ目処が立たず、しかも損害はデリバティブ取引を通じて全世界に広がったため、海外でモノを売っている企業は大規模な生産調整をせねばならなくなった。

 

おかげで日本国内でも、大規模なリストラに踏み切らねばならなくなったわけだ。

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